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会話が苦手? なら、聞き上手になろう

「会話が苦手・・・」と悩む方の多くは、「どうやったら、うまく話せるようになるんだろう?」「自分はトークの技術がない」「次こそ、頑張って話さなきゃ」という思考になりがちです。そんな人は、ぜひ「聞き上手」を目指してください。会話において「聞くこと」というのは、話すこと以上に重要です。このコラムでは、聞くことが大切である5つの理由を説明します。 

◆◆1. 仲良くなれる◆◆

仲良く話している2人の女性

人というのは、おもしろい話をしてくれる人より、おもしろがって聞いてくれる人を好むものです。自分の話を聞いてくれて、笑ってくれて、喜んでくれて、もっと聞きたいと言ってくれる、そんな人とは「また話したい」と思うものです。

おもしろい話はできなくてもいい、気の利いたことなど言えなくてもいい、聞いてあげることこそが、仲良くなる近道です。

 


◆◆2. 的を射た質問ができる◆◆

弓矢で的を狙っている人

「お? この人は優秀だなー」と、人が思うときというのは、ペラペラ話されたときではなく、的を射た質問をされたときのほうが、圧倒的に多いです。では・・・どうすれば、的を射た質問ができるのか? それは、相手の話をよく聞くことです。どんなにバットを振るのがうまくても、ピッチャーの投げたボールが、カーブなのか? ストレートなのか? フォークなのか? まったく見えていなければ、ヒットを打つことはできません。相手の話をよく聞いて、ポイントをつかむことにより、鋭い質問ができるようになります。


◆◆3. 信頼が得られる◆◆

信頼し合っている2人の女性

人というのは、ペラペラ喋る人よりも、自分の話をよく聞いてくれる人を信頼するものです。人から信頼されるためには、相手の話をじっくり聞いて、「つまり、○○ってこと?」「なるほど、○○なことをされたら、怒るよね」などと、ほどよく要約して確認をとってみましょう。そうすることで、相手は「あ! この人はちゃんと聞いている」と思い、安心するとともに信頼してくれます。


◆◆4. 会話の主導権を握れる◆◆

追いかけっこをしている男女

意外かもしれませんが、会話の主導権を握っているのは、聞いている人のほうなのです。話し手というのは、いわば「エンジン」であり、聞き手は「ハンドル」に相当します。こんな例を見てみましょう。

 

ケース1

えりちゃん「夏休みに北海道に行ったの。飛行機も乗れたし、お魚とかも美味しくて、楽しかった」

しょうくん「へぇー、北海道に行ったんだ?」

えりちゃん「うん。北海道って、思ったよりもずっと広かったし、もっと寒いかと思ったけど――」

 

ケース2

えりちゃん「夏休みに北海道に行ったの。飛行機も乗れたし、お魚とかも美味しくて、楽しかった」

しょうくん「へぇー、飛行機に乗ったんだ?」

えりちゃん「うん。飛行機って、手荷物検査があるんだね。わたし、スプレー持ってて――」

 

ケース3

えりちゃん「夏休みに北海道に行ったの。飛行機も乗れたし、お魚とかも美味しくて、楽しかった」

しょうくん「へぇー、楽しかったの。それはよかったね」 

えりちゃん「うん。家族で行けたから楽しかった。いつもお父さんは仕事で来ないけど――」

 

一見すると、えりちゃんが喋りまくっていて、しょうくんは、言葉を拾っているだけ。えりちゃんが主導権を握っているように見えますが、実は違います。しょうくんが「北海道」という言葉を拾えば、えりちゃんは北海道の話をして、「飛行機」という言葉を拾えば、飛行機の話題になり、「楽しかった」という感情を拾えば、えりちゃんは、自分の気持ちを話したり、身の上話をはじめたりします。会話の流れを決めているのは、しょうくんなのです。聞き上手を極めれば、会話をコントロールすることもできます。

尚、カウンセリングの分野では、相手の言葉を拾って返すことを「オウム返し」と呼んでいます。


◆◆5. 知らない話題でも会話が続く◆◆

ペンギンズというバンドの絵

趣味の合わない人と会話しなければならないとき、聞き上手になっていれば怖くありません。自分は聞くことに徹し、相手に思う存分話してもらうことで、会話は続いていきますし、相手は話したいことが話せて大満足。自分自身も、知らなかった情報を手に入れることができます。例えば、下のような会話があります。

 

しょうくん「俺、ペンギンズの大ファンなんだ

えりちゃん「そうなんだ。わたし、よく知らないんだけど興味はあるんだよね」

しょうくん「最高にイカしたバンドだぜ! この前出た新曲は、ドラマの主題歌になって ―略―」

えりちゃん「うわーそうなの? それはすごいね!」

しょうくん「だっろー? サビもいいけど、イントロがまたしびれるんだ ―略―

 

しょうくんは、ペンギンズについて話したくて仕方ないのです。えりちゃんは無知ですが、ちゃんと聞く意思を示したので、しょうくんは楽しそうに話しています。ポイントは「興味がある」ということを伝えることと、楽しそうに話していたら、楽しそうに聞いてあげることです。尚、カウンセリングの分野では、これを「共感的理解」などと呼んだりします。


~さいごに~

どうでしたか? 聞くことの大切さが伝わったでしょか。今後、「聞き上手になるにはどうしたらいいか?」といった記事も書いていきたいと思っています。興味がわきましたら、読んでみてください。

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